2022年まとめ①チェキ代行編~プロフェッショナルとしての矜持、あるいは推しオタクの推しメンとの共犯関係の楽しさ

2022年ですが、結局チェキについてしか書くことがないことに気づいたのでチェキを振り返っていこうと思います。各部の構成は以下の通り

 

第一部:チェキ代行編

第二部:魂(ソウル)推しメン編

第三部:破滅編

第四部:チェキ代行消失編

第五部:千枚周回編

 

 

どこから読んでも記事として成立させるために重複する話がでてきたりしますがご了承ください。

また、第四部についてはチェキの話ではなく、恐らくおとはすこと十束おとはさんの話とリルネードの話になっていて、第一部と第四部には多少繋がりがあります。

ということでよろしくお願いします。

 

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チェキ代行編~アイドルSとのこと~

 

「なんだかエッチですね」

あるアイドルさんとチェキを撮ったときに言われた言葉だ。

「すみません、僕はオタクの節度としてその単語には反応しないようにしてるんですよ」

 

どうしてこんな会話をすることになったのか、話はこの会話の10分前にきたDMにまで遡る。

「XXX」

「YYY」

「ZZZ」

身体のパーツ名のみが記された奇っ怪なDMを受け取った僕は、DMの送り主が好きなアイドルSの列に並ぶ。

アイドルSはアイドルグループRのメンバーの1人だが、この日どういうわけか僕が住むN県に来たのだった。

 

そして旧来の知人から代行チェキを頼まれていて、長い付き合いもあり快諾したところ、例のDMがきたのだった。

 

果たして、こんなことが赦されるのだろうか、メンバーが赦しても運営が赦さないかもしれない。そもそも人間として赦されないのかもしれない。

さしずめ、オタクの異常な妄執、また彼はいかにして出禁を心配するのを辞めて異常チェキを撮るようになったか。という感じだ。

 

なお、僕はあの映画は見ていないし、出禁になるのは僕である。

 

話を戻すとまず、アイドルSとは最初は僕の金で平凡なチェキを撮り、この後は知人の代行として回ることを告げる。

覚悟を決めて「XXX」でお願いしますと告げる。

「はい、こうですか?」

びっくりするぐらいの快諾だった。

Sに異常耐性があることに安堵した僕は「YYY」や「ZZZ」のチェキを撮っていく。

そして最後に「ZZZ」のチェキを撮ったときに、アイドルSから「なんだかエッチですね」と言われた。

僕にはオタクのこだわりとしてその言葉に応えることはできなかった。

しかし、一つ良い仕事をしたと思った。

旧来の知人の欲望を叶えたいと同時によいチェキを撮りたい。

そういうプロフェッショナル~チェキの流儀~とも呼べるような不思議な感覚を覚えたというのも確かだ。

そんなわけでチェキの出来映えに満足している僕だったが、同じ時に隣で形成されていた人気メンバーMの長いレーンに並ぶオタクたちから奇異の目で見られていたことに気づき、とたんに恥ずかしくなったのであった。(完)

 

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その後もアイドルSとは代行で何度かチェキを撮り、その都度知人の話をした。

Sはとても話しやすく、自分もチェキさえ撮ってしまえば目的を達せられていたので気楽に会話することができた。

 

自分も依頼されたからにはと本気でチェキに挑み、Sもまた本気でそれに応えてくれた。

今思えば、不思議な共犯関係と居心地の良さがそこに成立していたように思う。

 

結局彼女の所属するアイドルグループRは2022年秋に解散し代行として彼女のレーンに並ぶことはもうなくなった。

Sは最後まで僕が何者なのかを聞いてはこなかった。

それで良かったと思う。

 

お互いに全力でチェキを撮る、ただ、それだけの関係で終わる。

 

彼女の記憶から僕という存在がさっぱり消えればこれほどすがすがしいことはないなとも思うのであった。

 

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チェキ代行編~アイドルKの場合~

 

はじめはなんでもないような、代行の偶然がこうやって僕と繋いでいて、ここでファボがくるなんて...

 

 

旧知の知人(先ほどのエピソードに登場する知人とは別)からの代行を頼まれて二回ほどアイドルKのチェキに行った。

Kとは旧知の知人との連番で1回、代行で2回行っただけの関係だが、これがどういう訳か、すっかり彼女蜘蛛の巣のようなワールドワイドウェブの罠にはまってしまった。

曰く、彼女はTwitterが好きすぎて、生命の目的はTwitterでファボることとまで言っているぐらいだ(言っていません)

二回の代行を経て完全にアカウントを特定された僕は、彼女のsearch and favoriteの対象としてロックオンされることとなった。

 

恐らくチェキがわずか3枚でここまで完全にロックオンしてきたアイドルは彼女が初めてだと思う。

10月を最後に2ヶ月以上顔を見せていないが今でも時々油断をするとファボが来る、しかし、半年ほど経つと彼女のファボのパターンが大体読めるようになってきている。

 

遠征に関するツイートや宿に関するツイートでのファボが多い。

 

一度彼女のファボ欄を全取得して単語を抽出して、アカウント毎にこのツイートにはファボが入る・入らないの予想アプリみたいなものを作ってみたら面白いんじゃないかなと思ったりする。

ちなみに僕は彼女が所属するアイドルグループTの曲もわりと好きであるし、今は東京にいるのだからタイミングを見て彼女に挨拶に行こうと思う。

 

しかし、これこそがもしかしたら「関係の絶対性」というものなんじゃないのだろうかと思う。

 

吉本隆明は、「関係の絶対性」について共同体のルールが個人を拘束し、同調圧力を強いること述べていたが*1

これは果たして、一対一の関係にも適応するのかどうかは分からない。

 

しかし、吉本の意図とは別にしてもこ「関係の絶対性」という言葉はアイドルがオタクの自由を束縛し、オタクもまたそこに縛られることで擬似的な一対一の関係、対幻想を楽しむというものなのかもしれない。

 

コロナ以降、アイドルの歌やダンスや曲の質は間違いなく向上しているし、週末は必ずどこかで現場が複数ある。

どちらの現場を選んでも良いような場合、最終判断は「関係の絶対性」でジャッジされるのではないのかとも思う。

そういう意味で2ヶ月以上顔を見せていないことに若干の後ろめたさを感じることもあるが、しかし、現実問題、彼女の監視するネットワークは広く自分は恐らく数多くいるファンの1人の代行者という存在として認識されていると思うので、そこでは自分という存在が半分消えていることに割と安心感ある。

 

が、やはり今月(2023年1月)中に一度は行こうと思う。(※特に落ちはない)

 

 

 

 

 

 

*1:先崎 彰容 100分で名著 共同幻想論