クロスノエシス 4th annive. one man live 「plant」~アイドルにおける一瞬と永遠~

クロスノエシス 4th anniversary one man live  「plant」が2023/05/20 恵比寿リキッドルームにて行われた。

 

この日を以て無期限の活動休止となることが事前に発表されており、プロデューサーもライブをやるのはこれが最後と発言していたことから、事実上のラストライブとなっていた。

チケットはSOLD OUTし、リキッドルームでのワンマン3回目の挑戦にしてSOLD OUTという悲願を果たすことができた。

 

2月の末に無期限の活動休止を発表されて以降、盟友NUANCEとの最後の dubriseや、同じ事務所のクマリデパート、そして大阪のアイドルkolkol(メンバーに熱心なクロスノエシスのファンがいる)との対バンなど精力的に活動し、過去衣装でのライブ、そしてミニアルバム「moment」の発売とリリースイベントなど、ほとんど休む間もないままライブやイベントを次々とこなしていき、そして最後の一週間を一切予定なし(配信などは行ったが)でワンマンへの準備期間とするというクロスノエシスとして活動してきた過去の全ての反復を行い、そして集大成に挑んだワンマンライブであった

 

チケットはSOLD OUTということもあり、当日は事前物販から盛況でチェキ券やグッズが売り切れるという盛り上がりぶりであった。

 

ライブ本編は前回のsalvationのようにほぼ休みなしのぶっ通しでライブが行われ、背景のVJなどを使いつつ、没入感の高いライブだった。

普段は1曲目に使われる翼よりが2曲目に来たり、幻光の背景に映し出されたメンバーのシルエットがあまりに美しかったり..最初で最後の披露となっただろうgoneの振り付けがあまりに独創的だったりと最後まで見応えが充分なライブだった。

本編については映像がYoutube等にアップロードされるらしいのでその時に改めて見たいと思うが、ここではクロスノエシスがアイドルという世界で達成したことをplantを通して考えていきたい。

 

今回のライブに参加した筆者は終わった時に以外と短かったという感想を抱いた。

しかし実際ライブは20曲演じられていて、blankの15曲*1、salvationの16曲を超える20曲という恐らくワンマンで最も曲数の多いライブとなっている。

 

実際の長さに反比例する体感時間の短さだけでもライブへの没入感の高さを感じる事実となっている。

 

クロスノエシスの新規の活動がなくてもそこにそれがある限りそれは終了ではないので今回無期限の活動休止としたということが明かされた。

 

アイドルという一瞬の美しさと"そこにある限り終わりでは無い"という永遠性、この両方を無期限活動休止という言葉に込めたことが今回のクロスノエシスがアイドルという世界で表現できたことの1つだと思う。

 

そして、ライブでの圧倒的パフォーマンスに挑み、人は努力によってここまでのことができるということをも証明できたと思う。

 

いわゆる(普通の人にはライブアイドルという言葉が通用しないので敢えて大雑把に表現すると)地下アイドルに対する偏見、曲がしょぼい、ステージがしょぼいというものをぶち壊しに行ったグループ、それは過去たくさんいたが、ステージパフォーマンス特にダンスという面でここまでその偏見の破壊を達成したグループは多くないと思う。

 

アイドルの持つ青春と物語

 

今のメンバーで安定した3年と少しという期間は自分が見ていた限りみな安定的に活動でき仲の良さも含めてなにか青春のような雰囲気さえあったように思える。

 

アイドルは物語であり、青春であると言われる。

クロスノエシスはキラキラアイドルでも青春をアピールするアイドルでもない、しかし、そんな彼女たち5人の楽しげな日常青春と呼ぶより他にないものだったようにも思える。(この辺りは主にブログなどを参照してほしい)

 

そしてそんな青春の日々の集大成で満員のリキッドルームで圧倒的パフォーマンスを見せたところに物語がある。

あるメンバーはアイドルとしてすべてやりきったと言っていたが、これは正しくアイドルを卒業するという1つの形なのかもしれない。

 

そして、クロスノエシスのライブ活動は終えたがクロスノエシスという"現象"はファンがいる限り、誰かが記憶している限り終わらない、その一瞬(moment)の喪失の美しさと永遠性の両方を1つのライブで表現したことにクロスノエシスのライブの価値があったのだと思う。

また、plantという希望に満ちたタイトルの付け方もまた絶妙だったと思う。

動物が亡んだ後も動物が生まれる前もそこには植物だけがきっといるはずで永遠を表すのにふさわしいタイトルだったように思える。

 

アイドルが舞台を去った後も記憶や記録が残る限りそれはきっと終わりではないのだから...終わりでは無く無期限活動休止というタイトルを付けたが、ファンは思い出として語ったり、こういうブログを書いたり、たまにyoutubeを見返したり曲を聴いたりする限りはきっとクロスノエシスという現象は"活動"し続ける、そんな願いが込められた、良いライブであったと思います。

 

ありがとうございました。

 

 

*1:公式発表では16番目まであるが15が飛んでいるため実際は15曲