今更AKB白熱論争を読んだので、気になった点だけ抽出
amazonマーケットプレイスで1円で売られていたAKB白熱論争(2012年8月初版)を今更読んだので、読みっぱなしも良くないので気になった点、面白かった点だけメモ代わりに残しておこうと思います。
本書については以下のリンクを参照。
1.本書を読んでみようと思ったきっかけ
ちなみに筆者はAKBの握手会もイベントも行ったことありませんし、メンバーも主な人の顔が分かるぐらいでそれ以外は何も分かりません。
渡辺麻友さんに関してはサンホラーということで一時ブログを購読していた時期がありましたが、別にCD買って投票したりと言うこともやってはいません。ある意味今回本書を購入したことが初めてのAKBに対する出費かも知れません。
そんな自分ですが最近ふらふらと地方アイドルイベントに行くことがあるので、今の地下アイドル文化(握手会など)を作ったAKBについても多少は知っておきたいなぁという思いで買ってみました。(送料込みでも258円でしたし)
2.全体の感想
頭の良いオタク達がイベントの後の居酒屋で好き勝手しゃべってる感じでとてもテンポ良く楽しく読めました。
イベント後の飲み会での大言壮語、異常にでかくなる主語や断言、神格化、内面の吐露などを体験しているオタクだと楽しく読めると思います。
もちろん、オタクが好き勝手話してるだけでなく非常に頭の良いオタク達がしゃべっているので感心する部分も多数あり、その点について書いていこうと思います。
AKBの各メンバーに対する思い入れや彼女たち個人個人に対する知識はないのでAKBというシステム的な面や時代性などで興味を持ったところ、面白いなと思ったところを抽出して残していこうと思います。
余談ですが、本を読む際には付箋紙を付けて読むと、後でこういう風にまとめる際に便利だなと思いましたし、本から得た知識をアウトプットすることで知識も定着する気がしますので今後本を読む際は付箋紙を持ち歩きながらにしようと思います。
3.第一部「人はみな誰かを推すために生きている」
1.AKBの魅力的についての言及
・平凡な子達がAKBという場に放り込まれることで潜在能力を発揮し、ファンとのやりとりを通じて成長していく姿を見守っていくアイドル(例えばファンの握手会での「その髪型いいね」のようなやりとりを通して可愛くなっていくなど)
2.総選挙制度について
政治家を選ぶ選挙よりも透明性が高い、一年間の活動を通しての純粋にアイドルとしての評価であって日本中のAKBオタクが真剣に投票した結果なのでみんなが納得出来る仕組みになっている上にそれに参加したという手応えが得られる。
また、同じ一票でも国民の権利として与えられる一票と働いて得た一票では重みが違うので有権者の本気度も違う。
今の日本の選挙は政党政治になっているので、風を頼りに維新の会に入るようなのが当選してしまうから政治家としての評価ではなく風に乗っただけで政治家になれてしまうので公平感が足りない。
3.コンテンツの衰退と体験が価値を持つようになったことについて
今の時代にコンテンツにお金を払いたいという気持ちは、発信者や作者を応援したという気持ちから生まれる。
情報化によって、コンテンツよりもコンテンツを媒体としたコミュニケーションに価値が発生する。
4.マーケティングについて
消費者の欲しいものを探していては良いものに繋がらない。
自分が欲しいモノを探して世の中に送り出した後に「こんなものが欲しかった」と気付かせる。→新しい快楽を消費者に見せる必要がある
5.推すと言うことについて
推すと言うことがないと社会が成り立たない、推すことで公共性うんぬんとう話をしていましたが、正直何度読んでも分かりません。
6.ネット右翼について
みんなで繋がるための趣味コミュニティの一つに過ぎない。
彼らの主張が低レベルだとしても彼らが活動で得られる団結感、繋がり感は本物、だから彼らを包括し承認する存在にAKBがなれる可能性がある。
4.第二部「では何故人は人を推すのか」
1.アイドルと恋愛について
・自由恋愛の社会がきたことでモテナイ男が発生し、それを救済するためにもアイドルは存在する。
・10代の女の子が持つ最大の能力である、恋愛の力を封印することで、アイドルとしての力を発揮している
2.アイドルは南からくる
南沙織、松田聖子など、九州や沖縄からアイドルはくる、大分出身の指原もそれになる可能性がある
(個人的感想:実際にこの後の総選挙では指原が一位をとり、その後2017年まで断続的に一位をとり続けているのでこの指摘が結果的に当たっていて面白いと思った)
3.ハングリーさ
AKBはハングリーさも魅力の一つ、社会の格差が開いたことで、根性やハングリーが気持ちいい時代になっている。
4.AKBと資本主義について
大衆に新しい欲望や快感を与えること(金儲け)を追求することでお金になる新しい価値が生まれる。これが資本主義の自己進化システム
5.ピンクレディーについて
ピンクレディーは80年代を準備したシステムだった。
ピンクレディーの曲を踊っていた女子小学生が20代になるころに松田聖子が現れ男女雇用機会均等法が成立した、彼女たちが消費社会の先鞭をつけた。
(僕自身はピンクレディーについてイメージも湧かないので、納得している部分はありませんが、そうなんだという感じですが、面白い話だったのでメモしておこうと思います)
5.最後に自分語りを始めそうになったけど辞めておく
自分も元声優オタクや現役声優オタクと飲むことが多々ありますが、彼らの情熱や知見に圧倒させることが多く、本書もそれに近い感じがして面白かったです。
優秀なオタクの色々な知見を得ることが好きな自分も擬似的にオタク飲み会に参加したような感覚が得られました。
酒の勢いでこのまま自分語りを始めそうでしたが、その部分が長くなってしまったので本書の感想としてはこんなもんで終わらせようかなと思います。
ポエムは今年の暮れまでには書こうと思います。