こちらの本を読み終えたのでメモを遺そうと思います
第一章「それは歌手から始まった」
・アイドルの魅力について
アイドルの魅力は過程であって常に成長途上の存在でなければならない
(大田幸司の未熟さとそこから努力の過程が魅力であるという話から)
・南沙織について
彼女の魅力を活かすために彼女自身を歌ったような「私小説的な作り」の楽曲を用意した
・スター誕生
71年に開始したこの番組で森昌子、桜田淳子、山口百恵などを輩出した。
この番組でオーディションからデビューまでを見せることで<過程>の魅力を見せることになる
・二つの視線
スター誕生などで舞台裏を見せることで視聴者に批評家的な目線を得ることになり、愛情の目線と批評家の目線の二つの視線を得ることになる
・ピンクレディーについて
彼女たちは完成されたが故に<過程>を失ってアイドルではなく、巨大な娯楽装置となった
・キャンディーズについて
ライブに重点を置いていたキャンディーズは決まり切った操り人形的なアイドル的な活動とニューミュージック的な自意識の葛藤があった*1
第二章「アイドルは成長するのか」
・80年代のアイドルにとっては
アイドルからの脱却ではなくいかにして「アイドルしている」ことの可能性と限界を示すのかを小泉今日子と中森明菜を例にして記述が続く*2
・松本伊代について
無防備さによってアイドルの仕組みを暴露してしまうことでファンの批評家的な目線と守ってあげねばと言う愛情の目線を得ることができる
・おニャン子クラブについて
歌はアイドルの付属物である以上にアイドルというアリバイに過ぎなくなるが、お遊びだからこそ思いっきり遊べるようになる
第三章「アイドルは<日本>を映す」
・制服向上委員会のライブ
1995年のライブではオタ芸やオタク棒などを振るうオタク集団の存在が確認され始める*3
・声優アイドルについて
声優さんがキャラクターをベースにしてそれを損なわない程度に表に出ることで同じアニメ的次元を共有出来る*4
まとめ
70年代から80年代の変容についてはなんとなく分かるが、途中から話があっちいったりこっちいったりしてよく分からない点が多い、おそらくはアイドルの世界というモノが肥大化していってまとめきれなくなっていったのだと思う。
とはいえ、通史的な部分についてはかなり座学ではあるが学ぶことができたのでそれはそれで知識として役には立ったように思える。
*1:筆者にはよく分からない
*2:読んだけどここから若さの話やつっぱり文化への言及など話が飛び散らかしだしてよく分からない
*3:ここでの話ではノートパソコンを持ち込んでメモを取っていたオタクという存在が語られているが、95年にノートPCを持ち込む人はかなり少数と思われるのでオタクの異常性を語るために作為的に作られた話のようにも思える
*4:筆者はこの意見に賛成ではないし、声優アイドルという怪しげな単語を使っている時点でお察しな内容だが、ある程度の事実でもあるように思える、2017年の視線では女性声優の世界はすでにそれでは語りきれないほどに複雑肥大化してしまっている。指摘にあった声優は年を取らないというのもオタクの間ではある程度認識されている事実のようにも思える