我々はオタクの皮を被った人間じゃない。人の皮を被った、オタクなのさ(見合い顛末記)

こんにちは、先ほど縁あってお見合いをしてきましたがその特典会のご報告です。

 

経緯の説明は非常に複雑で、しかも田舎特有のコミュニティの狭さが原因なのでそれだけでかなりの紙面を要するので省略します。

ざっと話すと、娘の婚期を心配するある母親とうちの母親で話がまとまりお互い面通しをしてみてはどうかという話になったのが今回、見合い(?)に至った経緯になります。*1

 

という状況なので、自分は相手の名前も知らず、とにかく店も予約したから行けと言われて行っているだけなので正直言ってモチベーションは高くない、でも自分も年も年なので結婚しても良いかなぁとはちょっと思ってるがまぁその程度の熱量でしかない。

 

相手の熱量にしてもそうだ。

向こうの母親が熱心なのは話しから伝わってきたが、肝心の見合い相手本人の熱量が分からないので向こうがイヤイヤ来た時、沈黙が場を支配するような最悪のケースを考えながら過ごしていた。

 

そういう最悪のケースをなけなしのコミュ力ですこしでも快適に過ごさなければなるまいというかなり後ろ向きな姿勢で郊外の国道沿いのエスニック料理店へ車で向かったのが土曜日の5時半。

午後六時、せめてこの状況をエンタメにしようと思い、ツイートしていたのもこの時。

 

6時ジャストに相手は現れました。

N(1〜4)個下の同じ町出身の人でした。

似てるアイドルさんや声優さんと言われると特に思い当たる節がなくて済まない、どちらかというとマネージャーやスタッフにいそうな感じの方でした。

 

向こうも沈黙が嫌いなタイプなのか色々話題を振ってくれましたが、まずは接点が同じ町で育って同じ中学を出てるぐらいしかないので、向こうがN個上というと〇〇先輩とか××先輩とかですか?

 

と話題を振ってきてくれる。

ありがたいことでした。

 

が、出てくる名前がみんな札付きの不良で、出てきた名前の一人は高房の時分には女を孕ましたと訊いているし他の名前もムショに行ったとかとにかくそういう連中の名前ばかりだ。

 

当然中学生の頃、クラスの隅っこCCさくらを拠り所にして生き甲斐にして暮らしていたナード階級出身の自分からすると全く縁もないしむしろ不快感しかない名前だ。

 

最近見かけたこのグラフでもそうだが中学校の頃の記憶に残るのはやはり不良のようだ。*2

 

 

 

なので僕としてはそんなのもいたねーぐらいしか返せなかった。反応が薄くて申し訳ない。

 

休みの日は何してるか訊かれたのでとりあえずネットフリックスで映画と答えた。*3

 

向こうはそういうVODには全く詳しくないらしく、話しは弾まなかった。

オススメの映画を訊かれたが、ダークナイトとは言えないので、今話題の「カメラを止めるな!」でしょと話しておいた。

やっと長野でも公開が始まったので明日見に行くつもりですとも添えておいた。(そちらが良ければ一緒に行こうよという精一杯の積極性)

 

ちなみに相手が最近映画館で見た映画は「君の膵臓を食べたい」とのこと。

kimisui.jp

 

僕はそこで「lynnとゆきよ様が出てる映画ですね! lynnさんって全然詳しくないんですけど結構美人じゃないですか??」と言いたかったが、どう考えても実写版の話しなのでこれ以上言えることが無かった。

当然のことながら「彼女が死んじゃうだけの話しだよね?*4」などという返しは御法度

 

後のことはよく覚えていないが旅行の話になり、時分が過去台湾やインドネシアに行ったことや去年プラハに言ったことを話したが声優さんやアイドルイベントのためという核心部分に触れないまま話したので、特に話しは盛り上がらなかった気がする。

 

ただ、僕がプラハならターキッシュエアラインで8万で行けますよ!みたいな話しをした後に、昔家族でヨーロッパにツアーで行ったと話してきたので経済的な格差も感じた。

 

お互いの仕事の話もしたが、やはり自分の仕事のことをべらべらしゃべることは出来るが相手の仕事への興味はあまりなく、大変そうですねぐらいしか言えなかった。

 

オタク以外の話になると自分は知識の披露しか出来ないし、なんとかボールの打ち返しや投げ合いは続いたが、2時間が過ぎた。

 

僕はもう愛想笑いであごが疲れていた。相手がどうだったのかは分からない。

 

とにかく僕はこういう会食系では甘味で〆たいのでデザート食べようと振った。パフェやケーキを見て、久しぶりにテンションが上がった。

甘いもの好きなんですねと言われてやっと本心からの"YES"を言えた気がする。

 

結局2時間半、当たり触りのない話題に終始して結局解散となった。

お金は自分がたくさん食べという理由で多く出した。

親や妹からは男が全部出すのが基本だ!と言われていたが、その価値観が理解できないので結局多めに出すことで妥協案とした。(政治家的な間を取る政策)

 

車に戻りエンジンをかけると入りっぱなしになっていたCDからイッツマイターンが流れてきた。

 

 

open.spotify.com

 

一瞬で多動オタクとなって自分が蘇った気がした。

 

 

-完-

 

 

○色々

今回はとにかく自分も相手が良ければみたいな待ちの姿勢だからまぁ上手く行かなかったのだろうと思う。

ここでline交換や次の遊びの誘いができないからダメなんだと言われるが、それが出来たらとっくに結婚してるという感想しかないし、正直、そこまで必死に次に繋げたいという気持ちはなく、せいぜい結婚への願望ぐらいしか次への原動力にはならないと思う。

後、健常者がどういう話題で盛り上がるのかまるで分からない。

適当に相づち打つだけの話しをするぐらいなら、オタクカミングアウトして、拙者サブカルが好きでござるよwwww フヒヒwww オタクはどの新海誠が好きでござるか??www

 

などというやりとりに終始した方が多分、僕という人間は魅力的に映ったような気がする。(少なくとも楽しそうにしてるという点で)

 

帰り、CDからイッツマイターンが流れ出して湧いてきたあの気持ち。

結局今日の会食よりもアイドルさんCDを訊くことの方が楽しいのだと気付いた。

自分がそんな楽しくない状態で必死に健常者を装って接していて相手が楽しいはずがない。 

 

 

結局、自分には人間*5の皮を被ることが出来ないんだと思った。

人間*6であるからにはオタクではいけないというのが蒙昧なことだと思うし、そうやってオタク臭を消してそれが社会的成熟だとして他人と付き合っていくことにどの程度意味があるのかも分からない。(しかも一生を共に過ごす伴侶を探す場においては特に!)

 

相手は人間でもいいがせめて僕は人間の皮を脱いだ状態で他者と接したいと思ったし、人間でなければならないというのは息苦しいと思った。

 

もし次以降こういう機会があったら人間の皮を捨てて接したいと思う。*7

当たり障りのないトークで人間の皮を被り続けるのは疲れました。

 

ということで、僕((オタク)と共生できる人間を探す旅は消極的に続けていこうと思います。

 

さようなら。

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*1:もうちょっと補足すると自分は長野県北部で3番目ぐらいの進学校の高校を出ていて、それが相手の両親的にかなりの加点ポイントであったようだ。田舎では大学や仕事やキモオタかどうかよりも出身高校で評価される、話しには訊いていたがそんな恐ろしいことが本当にあるとは思わなかった!!

*2:このグラフの恐ろしいところは、ギーク、ナードに分類される人間には一生モテる時期が来ないところだと思う

*3:と、宣言できるほど映画を見てるわけではない

*4:筆者は見たことも読んだこともないので思い込み、偏見、印象によるコメントです

*5:社会的存在としての

*6:社会的存在としての

*7:当たり前だがオタク話をするにしても、いきなり新種ラジオの話をして咀嚼音に興奮するとかは自粛したいと思う、アイドルさんの自撮りは見せるかも知れない