異世界スマホが気になるのでアウトプットする

異世界スマホ、全然面白くないのですが何故か気になってみてしまうのでもやっとした気持ちを吐き出そうと思います。

筆者はNetflixでの視聴で今のところ5話まで見ています。
原作のなろうは読んでいません。

 

なんで面白いくないのか

ざっくり言ってドキドキ感もワクワク感もありません。主人公が課題を難なく解決することは目に見えているし、女にモテることも国王の寵愛を受けることもすべてが約束された勝利の設定です。
見ていてほとんどテンションが上がることがありません。

作画も別に良くはないし女の子もまぁ特別魅力的とも思えません。
正しい意味での役不足ってやつです。

もやっとについて考えてみる

つまらないところや欠点を熱心に探し出して糾弾したところで別に面白くはならないし、こんないかにもわかりやすく叩ける作品を必死に叩いても仕方ないのでなんとなくもやっとする部分について考えてみようと思います。

 

スマートフォンについて

主人公は異世界でも地球と同じようにネットを見れるようにしてもらいます。
また、地図情報も神の恩寵としてもらいます。
ここがちょっと面白くて現代人って初めての土地でもとりあえずグーグルマップを開けば目的地にたどり着けるじゃないですか。
現代人はすでに神(google)の恩寵が与えられているんだよってことが示されているみたいでちょっと面白いです。

もちろん現実には神の恩寵でもなんでもなくてゼンリンの人がせっせと歩いて地図を作って、googleのスーパーエンジニアたちがgooglemapを作って人工衛星と通信して位置情報を得ていて人間のテクノロジーのすごさが裏にはいっぱいあるわけですが、その辺無視して今の高校生には神の恩寵として当たり前に存在しなきゃいけないものって考えていると考えると、これがデジタルネイチャーかって感じがしますね。

異世界転生したら当然転生先に酸素や重力が必要ですが、googlemapもまた現代人が生活するのに必要な要素になっているんですね。
思えば、電波のないところを息ができないって表現しますしね。

 

 ちなみに異世界でスマホが使える設定、別に斬新でもなんでもなくて90年台の名作アニメ天空のエスカフローネでも異世界に飛ばされた主人公がポケベルを使えたような記憶があります。あの頃はポケベル程度だったので、音が鳴って敵が驚くぐらいにしか使えませんでしたが。その代わりに主人公は陸上部で鍛え上げた脚力やジャンプ力を活かすようなシーンがあったような気がします。

 

スマートフォンを持っていけば現代人は異世界で無双できるか?
 五話まで見ましたが、スマホの活躍シーンは、地図を見て宿屋の位置がわかる、いろんなお菓子のレシピを異世界に広げる、写真を取っておく。
ぐらいにしか活躍してなくてちょっと残念です。

お菓子に関しては主人公は恐らくアイスクリームの作り方なんてもともと知らなかったけどクックパッドの力さえあれば作ることができる。これも現代人とでテクノロジーの関係を表現していて面白いなと思いました。
まぁ砂糖の供給が安定してるに国にアイスクリームを広めたところで別段あそこまでの熱狂にはならないと思いますが。
甘味に対する熱狂というのは砂糖の供給が追いついてないって現実があるわけですが、まぁその辺は気にしない

まったくの余談ですが砂糖の歴史についてはこちらの本がおすすめです。

7net.omni7.jp

 

 

僕も正直アイスクリームの作り方なんてわかりませんがクックパッドを開けば多分作れるじゃないですか、スマホさえあれば、現代人は道に迷うこともないし、料理を作りたくなったら作ることもなんでもできることをあえて異世界で主人公に活躍させることで示しているのではないのでしょうか。
ちょっと批評っぽくて面白くなってきた気がします。

 

結局魔法使ってるじゃん
 じゃぁスマホだけで活躍する話かというとそうでもない、その世界の魔法を一通り使えるようになっていて、主人公はほとんどの課題解決に魔法の力を使っている。
話のつまらなさの原因はほとんどここにあると思う。

でもよく見ると、主人公は全部の魔法を使えるけど全部の魔法を知っているわけじゃない。
そこで色々調べて覚えた魔法の中から良さそうなものを探して使っている。

これもいわゆるググる力に近いんじゃないかなと思う。
もちろん異世界版のgoogleはないので本を読んだり人に無属性魔法について教えてもらうわけですが。

 僕自身はweb系のエンジニアなんかをやってますが、プログラミングで困ったときはだいたいググってqiita(エンジニアのためのプログラム知識共有投稿サイト)やstack over flow(エンジニア向けyahoo知恵袋)がでてきてそれをコピペして問題解決みたいなことがよくあります。最近だとSSLの証明書を作成するなんてことを仕組みすらよくしらないまま、ググって出てきた手順書のとおりに行うことで仕事を達成することができました。

これにちょっと似てるなと思いました。
重要なのは外部にアクセスして必要な情報を取り出す力、それをこの主人公が示してるって考えるとちょっと面白いかもしれません。

主人公の強さの秘訣はググる力にある
とても現代的で面白いんじゃないでしょうか

スマホの力は無敵か?

ここで、本の紹介します。
イギリスの学生が卒業課題でゼロからトースターを作ってみたという話があります。なろう読むより面白んじゃないでしょうか。

www.amazon.co.jp

 

この本の筆者は鉄を得るために廃坑に行ったり、その鉄を溶かす温度を出すために釜を作ったり油田から石油をどうやって得るか・・などものすごい労力とお金をかけますが結局まともに動くトースターを作ることはできなかったという話です。

ググる力があっても結局トースター一つ満足に作ることが出来ないというのがこの本の結論です。

 銀河ヒッチハイクガイドという名作SFでは文明レベルの低い惑星に流れ着いた地球人が地球のテクノロジーを現地で再現しようとするが、結局できずにサンドイッチを作ってみたところ、現地で大ヒットしてサンドイッチ大臣になるというエピソードがあるそうです。

テクノロジーに囲まれて暮らしてる現代人なんて結局そんなもんだよ話です。(上記の本からの孫引きです。僕も銀河ヒッチハイクガイドは読んでいません)

こうした限界ももしかしたらgoogleの力で解決可能かもしれませんが、単純にアルミの生成とか電気作るとかお湯を沸かしてタービン回すとかを真面目に書いていくとそれだけでストーリー上長くなってしまうので、面倒な部分は魔法にやってもらうことにしたのかもしれません。

 

現代人だって魔法を手にしている

 この作品で訴えたいことってもしかしたら現代人は魔法の力に匹敵する力、(googleクックパッド等)をすでに持っていて、現代人がいつでもアクセスできる魔法(google)の力を活かすことで今の腐ったこの世界でも活躍できることを訴えたいんじゃないでしょうか。

国王の病気を本作では魔法の力で治してしまいましたが、もしかしたらDeNaの「WELQ」を検索して治してみせるということも可能だったかもしれません!(WELQ自体があーなってしまったので本作で活かすことは不可能ですが)

 

googleという魔法を使えれば女にモテたり、課題解決はできるぜ!と現代テクノロジーへの讃歌をあえて異世界転生した主人公に使わせることで際立たせ、そう現代に生きることはそんなに難しくないってことを読者に伝えたいのかもしれません(妄想)

 

 

というところアウトプットしてなんとなくモヤモヤも晴れたので、残りの話数も耐えて視聴しようと思います。