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「きんいろモザイク Pretty Days」をようやく見てきたので

きんいろモザイク Pretty Days」を公開から3ヶ月遅れでようやく見ることができました。

 

長野ロキシーという古くて真っ平らで椅子も堅いようなところで映画を見るというのも久しぶりでしたがシネコン一強時代何とか残っている映画館がマイナーな作品を上映してくれるので本当にありがたいことです。

 

多くの人にとっては今更な感想文ですが3ヶ月遅れで長野でも見れたと言うことで感想文書きます。

ネタバレ全開でいくので気になる人はそっ閉じをお願いします。

 

 

 

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本作は奇しくも9月に病気療養のため活動休止に入った種田梨沙さんが演じる小路綾の話がメインとなっている。

これが公開された11月時点ではこれでもう種田さんの主演作品をみる最後の機会のように感じられる中で実質的な主人公が綾であることでメタ的な力の大きい作品でもあります。(実際にこれを書いている2017年2月時点ではゆゆ式OVAやロリガのCD等で種田さんも時々仕事をしていることが分かっているので、11月時点ほどのほどのエモさはないように感じた)

 

本編は中学一年生の頃、種田演じる小路綾が忍と陽子がいるクラスに転校生としてやってきた回想シーンから始まり今(高校二年生)の文化祭の準備と中学時代の回想を行き来しながら話は進みます。

メインストーリーは中学時代の受験でのエピソードで、中学3年生の夏、勉強のできる綾は私立の女子高(家から遠いため入学した場合は寮に入ることになる)を第一志望とし、もう一つ気になる学校として「県立もえぎ高校」(後に3人が入学する高校)を挙げる。

忍と陽子はこの学校への進学を希望するも、足らない学力を補うため綾の指導の下3人は一緒に勉強を始める。

 

そして、冬になり、綾は希望する私立の女学院への合格を決めるが、(私立は併願のため?)県立高校も3人で受験し、そして合格。

両方とも合格した綾は当初は私立の女学院にいくつもりだったが結局みんなのいる「県立もえぎ高校」を選ぶ

本緒円は綾の悩みが中心に描かれ、小学校以来仲の良い忍と陽子の関係に自分は中学からという時間の壁を感じていて、アリスとカレンに関しては忍の嗜好である金髪の持ち主という点でも引け目を感じていて忍にとって自分はなんなのか?について思い悩む。

本編では忍が買い物に行く際に一緒に行くと言った提案を断れたことでショックを受けていたりもする。(実際には忍が全員にサプライズのプレゼントを買おうとしていたために綾の提案を断らざるを得ないという綾以外のメンバー全員にも見え見えの事情があったのだが)

 

忍はサプライズプレゼントにふさわしいものを見つけられず、全員に「気持ち」をプレゼントし、綾はそれにも感動している。

そんなことや、カレンの暴走で収集の付かなくなった劇を全員の力で(主に即興で代わりのストーリーを書いた忍の力)なんとかやりきり(何故か客席にいた陽子やアリスも参加する)綾はみんながいるこの学校に来て良かったと伝える。

物語のラストシーンでは出会ってからの時間なんて関係ない忍は私の友達だということを確認した点で物語は終了する。

 

今回の話は綾と忍という本編であまり絡みのなかった関係をアリスとカレンが入ってくる前の3人の関係から描写し、本編(TVシリーズも込みで)で繋がりの薄くなってしまった(と綾が感じている)2人の関係を確認し、綾が友情を確認するという話だ。

 

ここで気になったのは「陽子」の存在が割と弱くなっている点だ。

綾は陽子に恋愛感情のようなものを抱いていて、そこを掘り下げてくるのかとも思ったが今回は本編でなじみの薄い綾と忍の関係に焦点を当てているのが新鮮だった。

確かに中学時代は仲の良かった3人だし、陽子と綾については時々扱われているので、ここで綾と忍の話を出してくるのはやられたという気持ちでいっぱいだ。

今では仲良しグループの中では比較的疎遠(?)になってしまったけど忍と綾も友達だよという当たり前のことが見れて本当に良かったと思う。

 

綾にとっては陽子との関係について描いて欲しい気持ちもあるが、やはりその問題を描くのはやや重たい気もするし、別の綾の中で結論が出る話でもないよう感じる。

陽子を好きだと認めて愛に生きるのは、明らかに本編のゆるふわな日常系として一線を越えているように感じるし、陽子とは友人と割り切ることも難しいだろう。

 

ここでは2人の関係には特に進展もなく、卒業と忘却という日常系アニメの最後を待つしかないのだろう。

考えて見れば日常系アニメの限界として時間が進む以上どうやっても卒業と離別という問題から逃げられないように感じる。

 

あずまんが大王にせよ、けいおん!にせよ、結局は卒業という形で終わらせた。(AngelBeats!のように死後の世界を舞台にして成長も進級もないですら全メンバーの卒業を持って終わらせた)

また、けいおん!の場合、全員が同じ学校に行くという日常系の延長戦に挑戦したが、大学生編の本編は程なく終わりそれがアニメ化される可能性も少ない

 

綾に取って私立の学校に行くことは日常系の終了であるが、忍と陽子の日常系綾の離脱である意味小学校に戻ったような形で続く、そういうことにも耐えられなかったのだろう。

 

きんいろモザイクという作品は時間が進行する以上卒業からは逃げられない。

その時までに綾がみんなとの関係に自信を持つことができて、卒業後も会う機会は減ってしまっても仲良く遊べる、そんな関係を想像出来るような、終わらせ方になるといいな。と感じた。

もしかするとこの作品は綾の成長の物語で終わるのかもしれない。

 

そんなことを考えつつ、やはり今後もきんいろモザイクという作品には続いて欲しいし、アニメもまた何らかの形で放送して欲しいと感じる。

 

 

余談だが、3人を名字で並べると、「猪熊」「大宮」「小路」となり一番後ろの綾は2人を見守る形になる。(特に受験のシーンではこの並びの意味が大いに機能している)

 

ここにアリスとカレンを加えると「猪熊」「大宮」「カータレット(アリス)」「九条(カレン)」「小路」となり、ある意味2人が割って入ってきたようにも当初は感じたが、綾は4人を見守る存在でもあり、4人が綾を引っ張っていくようにも見えて、この順番を意識的か、偶然か分からないが考え出した原先生は天才じゃないかと思ったりもした。